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新たな旅路 41

仕事はどうにか日付を跨ぐことはなかった。しかし夜も遅いので今日は寮でなく自宅に帰ることになった。 母親が仕事後で近くにいたみたいで拾ってくれた。 「美陸くんはどうする?実家帰る?家に泊まる?」 「なーちゃんといたいです」 「そう。わかった。連絡しておいたら?蘇芳さんに」 「わかりました」 そういうと電話を始めた美陸 『もしもーし。父さん。俺』 『美陸お疲れ様。仕事終わったの?』 『うん。今日は寮じゃなくてなーちゃんち泊まるねぇ』 『わかった。迷惑かけんなよぉ。んで人んちで盛るなよ』 『善処します』 『こらこら。みーくん!!何言ってるのだめだからねぇ』 『かあさん?』 『もう!誰に似たんだか。桔梗さんか莉音さん出れる?』 『うん。待ってね。』 「はい。お久しぶりです。天音さん。うん。大丈夫ですよ気にしないで。じゃあまた明日」 「明日?」 電話を切った父に問う 「今度の新作のCM。天音さんに出てもらうんだよ」 「そうなの?」 「うん。今回のコンセプトにぴったりなの天音さんだから。地上に舞い降りた天使って内容だし」 「あぁ。なるほど。でも良く出ること了承してくれたね」 天音さんは数年前に蘇芳さんのブランドのモデルを引退して今はカメラマンとして活躍している。表に出ることは暫くなかった。 「美陸のお陰だよ。ね?」 「うん。今回のは母さんをイメージして俺が考えたから必死で説得したの。それが出る頃ね母さんが誕生日だし父さんとの25年目の結婚記念日だしで何かしたくて」 「そっか。」 「よいしょっと。これねパッケージ」 「うわぁ…綺麗…」 「でしょ?」 「これは天音さんじゃなきゃだめだね」 「そゆことぉ。楽しみぃ。俺ね母さんのモデル姿大好きだったんだぁ。引退するって言ったとき全力で反対したからね。まぁ。結局止められなかったけどね」 「美陸はモデルとかしないの?天音さんにこんなにそっくりなのに」 「うん。しないよ。何度か話は来たけど断った。俺は父さんと一緒で裏方の仕事が好きだから」 「勿体無いね。」 「そう?ならなーちゃんも一緒なら考えるよ」 「いや。それは断る」 「やっぱり?俺も普通に高校生してたい。だからいいの」 夜は母さんの作った料理を食べて休んだ。 疲れていたのだろう。美陸はあっという間に眠りに落ちた

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