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新たな旅路 44
「あの話題で持ちきりだね。霞 桔梗の息子がデビューって」
「…そうだね…もうこれ以降は何も出さないんだけど…」
「ずっと一位だねぇ…」
「…さすが遥だよなぁ」
あのジンクスはやっぱり本当らしい。正直ここまで売れるとは思ってなかった…
「テレビつけても買い物に言っても必ずこの曲聞くよね。俺は嬉しい。どこに行ってもこの曲聞けてその本人の隣には俺がいるんだって思うと幸せも倍増」
「僕は楽しくない…冷や冷やする…いつか囲まれるんじゃないかって思うと…特に美陸といるとき見つかったらすごく嫌…」
「どうして?」
「だって天音さんとそっくりなんだよ?ばれたら美陸まで晒されるかもしんないでしょ?」
「…なーちゃんが側にいてくれるならそれでもいいよ。俺はなーちゃんとずっと一緒に…」
今日は休みで久しぶりに外に出てデートでもしようと寮から出た。
出た途端だった
「naoさんですね」
naoはあの曲での僕の名前…
「それと…蘇芳美陸さん」
「…」
「私はこういうものです」
渡された名刺には某週刊紙の名前…
「…人違いです…」
「そんなわけないじゃないですか…インタビューお願いしても?」
「…」
「応じていただけない?…であれば…」
懐から取り出したのは…
「っ…」
美陸が息を飲む…だってそこには乱れ狂う美陸が写ってたから
「この学校私の知人おりましてね。その人からいただいたんです。データはこれ以外はありませんが…これ…私の手中にあります…意味おわかりですよね?どうなるのかも…」
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