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新たな旅路 47

話を聞くと凛さんを妬んでいる別の事務所が僕を潰そうと動いていたらしい。 僕が選ばれた理由は凛さんの事務所の歌手部門の稼ぎ頭である母の息子だから。 母はとても繊細な人でそれは業界でも有名。僕がただの風邪で寝込んだときも仕事どころでなくてその日の収録はボロボロだった。 そんな母の息子である僕にもし何かあればきっと母はあの事務所だけでなく業界そのものを辞めてその影響で父は余裕がなくなり父の会社も傾くはず。そう踏んだのだろう 父の会社はかなり大口の会社とのパイプを持っている。 華陵院もその一つ。そして華陵院にはかなりの協力もしているためうちがうまくいかなくなり華陵院が傾けば朝陽さんが俳優業どころではなくなりおそらくすでに決まっているいくつもの作品を降板することになる。 あいた枠に自分達の事務所の人が入れれば… 朝陽さんの持つ仕事はみんなが喉から手が出るほど欲しい作品ばかり…代表作が努力せず手に入るのだ 僕一人のことで華陵院が傾くはずはない。 それは確信してる。だから問題はないんだろうけど両親を悲しませたくはない 「あのね。狙ってるのはその人だけじゃないの。マスコミの人も君を狙ってるんだよ 君の顔が自分達のところで出せれば各テレビ番組で使われるのは勿論世間の人もこぞって購入するはず。そうなれば大幅黒字になるんだよ。それを手にした後、君をどうこうしたら…さっきと同じことおこる。そこの会社との凜さんを妬んでる人は繋がってるの。お金儲けも出来て凛ちゃんの事務所も潰せて…一石二鳥でしょ?」 「どうしてそこまで凛さんのこと…」 「すっごく下らない理由だよ。そこの社長はね凛さんにずっと好意を寄せてて。でも何度も振られてるの。ただそれだけのこと。凜さんのところを傾ければ自分に助けを求めるとでも思っているんだろうね」 「くだらない…」 「本当に…」 「あ。ちなみにねそこの社長の息子がこのデータ持ってたの。本当はみーくんのこと大好きだったんだって。だから捨てられずに取っておいたみたい。またみーくんに会いたいって。」 「田尾くん?かな」 「よくわかったね。正解。」 「うん。田尾くんは俺に酷いことをしている人たちの元にはいたけれど俺に手を出したことはないよ。傷の手当ては全て彼がしてくれた。」 「そっか」 複雑だ…そんなやつが美陸のあんなデータを持ってるとか… 「みーくんを守るためにそのデータを全て渡してって話したらくれたよ。部屋の隅々まで確認したからこのデータで最後なのは間違いない。でその田尾くんが今回のこと教えてくれたんだ。naoを誘拐、監禁…そしてなんならレイプまでして世間にさらそうって。いうことを話してたんだって。たまたま聞いちゃったみたいで」 「…」 「田尾くんはねみーくんのこと好きだから何度か学校の近くにいったことがあって…その時に撫子くんとnaoが同一人物だと察したらしいよ。みーくん撫子くんのことなーちゃんて呼ぶでしょ?それでなんとなくわかっちゃったみたい。ついでに二人が恋人ってことも」 「…そんなことまで?」 「二人の空気感で察したんだろうね。だからnaoを貶める計画をみーくんに伝えようとうろうろしてたら親父さんに見付かっちゃったみたい。それで協力しろって言われて。困ってたところを俺たちが見付けたの」 「しばらくは君たちは寮から出ちゃダメ。わかった?」 「はい。で雑誌の方は?」 「一度雑誌の対談とかに出ればしばらくは騒がしくなるけどその後は今ほど騒がれなくなって落ち着いてくると思うんだよね。次を出す予定もないんでしょ?そしたらそのままフェードアウト出来るんじゃないかな?」 「えぇ。」 「だからいっそのこと全部晒しちゃったら?って思ったの。みーくんのデータ取り返したお礼ちょうだい?」 「いい人なのか悪い人なのかわからないね…さすが麗人くんだね」 「まぁねぇ。無駄なことしたくないし。ちなみに、これを断ったとしたら…他の会社からの追いかけっこはなくならないよ。ようは一度さらしちゃえば価値が下がるから一番を取りたいんだ。だからさうちでそれさせてよ」 「麗人くん…編集長さんより偉そうだね」 「そうだろうね。だってくーちゃんは俺の下僕だもの。ていうか本当の編集長は俺。くーちゃんは表に出るための俺の影武者さん」 「そうなの?」 「俺こんな姿でしょ?なめられちゃうんだよね。だからいつもくーくんが世間には出るの」

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