677 / 690
クリスマス
果林side
「果林」
「ん?」
「クリスマスって忙しい?今年も実家には戻らないんでしょ?」
「ん~夜になったら人と会うけど別にそれはいつでもいいやつだから。どしたの?」
「あのね。クリスマスね美陸と初めて過ごすでしょ。だから何かサプライズしたくて…その日美陸誕生日なんだよね」
「そうなの?」
「うん」
イベント事に興味がない友人である撫子が恋人であるみおちゃんの誕生日を祝いたいとか叫びたいほどの驚き。
「みおちゃんのために一肌脱ぎますよ。どんなことしたいかは決まってるの」
撫子の性格上なのか既にある程度内容は決まっていて流石。みおちゃんのことよく理解してる。本当に大好きなんだな…
「んなら俺も何かしら準備しておくね。じゃあ当日」
「うん。ありがとう」
さてと…話をしなきゃ
「部長!!」
「俺はもう部長じゃねぇぞ」
「ですけどつい…」
「どうした?」
「あの…クリスマスのことなんですけど…」
「は?」
「時間ずらせます?」
「何かあるのか?」
撫子の計画を話した
「そうなんだ。俺も何か手伝う。立野さんのお願いだから。部屋の飾り付け手伝おうかな。立野さん小柄だから何かと大変だろうし」
「本当?ありがとうございます」
「その代わり…今夜俺の部屋に来いよ」
「わかりました」
つい先月。俺は遂に部長こと雁部乙矢に陥落した。
本当に驚くくらい突然にストンと何か落ちた気がしたんだ。
まだ撫子たちには話してなくて。話したくなかった訳じゃないんだけどタイミングを逃していた。
「ねぇ部長」
「何だ?」
優しい笑顔で俺の顔を見る先輩。その顔にきゅんと胸がなる
「あのさ。その日俺たちが付き合うことになったのカミングアウトしていい?」
「やっとかよ。いいよ。俺もちゃんと話したいし」
ともだちにシェアしよう!