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「うーみーだー!!!」 元気一杯駆け出したのは今年5歳になった息子。陽向 「ひーなー!!あんまり遠くいっちゃダメだよ」 「はぁい!!」 今日は神楽坂家と一緒に海に来ている。 この海は俺たちが別々の道を選んだ切っ掛けの場所… ここで朝陽さんと十夜さんが交わり…一緒に美那さんの元へ向かおうとした 苦い思い出…けれど朝陽さんたちにとっては大切な場所 「朝陽さん。大丈夫?」 「…ここにくると…やっぱり胸が苦しい…」 「あのときはそうする他に道はなかったんでしょ?みんな苦しかった…けど…あの出来事より大きな思い出があるんじゃないですか?」 「…美那…」 「ここは3人の大切な場所…そうでしょ?だから…全てを受け入れて…そしてまた楽しい思い出にしましょ…ほら見てください。ひなあんなに楽しそうですよ。みんなで越えていきましょう。これしか俺には言えないけど」 「ん…」 「とーさーん!!かーさーん!!早く早く!!」 「今行く」 二人で息子に駆け寄ると目をキラキラさせながら小さな手を見せた 「あのね!あのね!これ見て見て!」 「すごい。綺麗な貝殻だね。」 小さな手のひらの上に淡いピンクの貝殻が乗っていた 「お母さんみたいな可愛いピンクだね」 「僕みたいな?」 「うん!いつもほっぺピンクだもん」 そういうとしゃがみ込んでた朝陽さんの頬をつんつんつついた 「ふふっ!ね?似てるでしょ?お父さん」 「そうだね」 朝陽さんのさっきまでの強ばった表情が少しだけ和らぐ。 子供ってやっぱりすごい 「ひな。良いの見つけたね」 「夕ちゃん!十夜くん!うん!お母さんみたいでしょ?」 「うん!可愛いねぇ。じゃあ次は夕ちゃんの貝一緒に見つけてくれない?」 「いいよぉ!」 「夕ちゃんね秘密の場所知ってんだぁ。」 「秘密の場所!?行きたぁい!!お父さん行ってもいい?」 夕燈さんが俺たちに気を使ったのだろう。俺たちがちゃんと話せるように 「いいよ。絶対夕燈さんの手を話したらダメだからね!わかった?」 「はいっ!!」 可愛く敬礼をして夕燈さんと去っていったのを見届けて向き直る

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