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第2話
そんな俺には秘密がある。
それは女が好きになれないということだ。
言わばゲイなのである。
男子校だから男同士でなんて珍しくないけど現在好きな人もいない俺はもちろんフリーである。
しかしこんな見てくれにも関わらず実は経験がある。こんな見た目なのに何故かというと、年齢をごまかし風俗にお世話になった。…それもある意味事実である。
しかし、隠しているのはこれだけではない。
変な話学校での俺は仮の姿だ。
本来は猫背でもなければ頭は黒髪のボサボサでもない。目もいいのでこのビン底メガネは特殊な加工をされた伊達眼鏡だ。声を出すことも実は可能である
どうしてわざわざそんな姿をしているかというと俺のやっている仕事が原因である
小学生の頃デザイン会社を立ち上げ…とはいえ名義は父になっているが…そこで作っている服を着てランウェイを歩く。
またある時は映画やテレビで俳優業をしている。
小学生にしてそれができたのは義理の親のツテがあったからだ。
実の親は俺がまだ赤ん坊の頃亡くなっている。その後母の兄の家に養子として迎えられた。
本当の子供のように俺を溺愛している両親は仕事柄ファッション関係や業界に顔が知れている
ある日、なんとなくこんな服着て見たいなぁ…と落書きをしていた所、父がたまたまやって来てそのデザインを非常に気に入り形にしてくれた。
それからというもの自分が描いた落書きが形になっていくのが楽しくてしょうがなくなって気付けば数え切れないほどのデザイン画に埋もれていったため父が資金を出し会社を作ってくれたのだ。
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