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第17話

身支度を整え家を出た 指定された場所は思ったより近い。 着いたところは閑静な住宅街 その中に一際大きな建物があり歩みを進める。 目的地はそこを示していた。インターホンを押すと門が開く 門を潜り玄関まで続く長いアプローチの左右は洋風の庭になっていた。 「でかい家…」 ついつい溢してしまう。 家の中に入ると広い玄関に高い天井。白を基調としているそこは英国貴族でも出て来そうな作りになっていた。 使用人だろうか?物腰の柔らかい男性が部屋へ案内してくれた。 深々とお辞儀をしていった姿を見送り向き直す。 そこにはこの家に似つかわしくないチャラ男がいた 「わざわざ来ていただきありがとうございます。まさか片桐のお兄様があなたとは想像もしていませんでした。相馬 星夜さん」 「初めまして。貴方には一度お会いしたいと思っていたので会えて光栄です。まさか貴方のような方があの遥さんなんて思っても見なかったです。今日はお時間をとっていただきありがとうございます。宜しくお願い致します」 「さてと、堅苦しいの俺苦手なんでこっからはタメ語でもいいですか?俺たち同い年ですし」 「かまいませんよ」 「んなら改めて宜しく!片桐から大体の話聞いてるんでしょ?」 「聞いてる」 「片桐が言ってた通り声全く同じだね。早速歌って見てもらってもいい?」 「大丈夫」 数時間後… 「オッケー。やっと納得いくものができた。ありがとう」 「俺もこんないい曲と出会わせてもらえて良かった」 「今後どうするかはまた連絡するから連絡先聞いてもいい?」 仕事用の連絡先を渡し帰り支度を整えた。 「あのさぁ。飯食って行かない?1人じゃ味気なくてさ」 「そっちがよければ」 「んじゃ用意させるね」 その後、夕飯をご馳走になり世間話をしているうちに夜も更けて言った。 「お邪魔しました。」 「またね」 屋敷を後にすると直ぐに隅田から連絡が来た。 「今日はありがとう。片桐のお陰で曲完成できた」 そんな感謝の内容がつらつら書いてあった 「意外に律儀なやつ…」 長く話してみてあいつの周りに人が集まる理由がよくわかった。 翌日学校へ行くと再度礼を言ってきた。 隅田は飽きもせず俺を構い倒すようになった。 遥の曲はその後発売が開始された。 相馬 星夜の初シングルということもあり瞬く間にフラッシュを浴び、遥の手掛けたこれまでの作品の中で1番の売り上げとなった。 それからというもの遥との仕事もやたら増えていった。

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