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第32話
「朝陽さん。これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ」
それからベッドに寝転んだまま今後の事を話した。俺と相馬 星夜が同一人物と言う事を他言しないという約束から始まり、学校での行動やこのマンションで会う頻度など話し合い、結果、学校では今まで同様挨拶以上の関わりを持たない事。俺の仕事のない休みの前日には必ずマンションで共に過ごす事を取り決めた。
「はぁ…何か夢見たい…ずっと思っていた貴方と会えて、貴方の秘密が知れて…そして、体を繋げることが出来た。それがこれから貴方が飽きるまでは続くと思うともう幸せ過ぎて…」
「当分は飽きる予定はないので覚悟しておいて下さいね」
うっとりする朝陽さんに啄むようなキスを降らせる
「何かお腹空きません?」
「少し空いたかも」
「この部屋には飲み物以外何も無いので買い物行ってきますよ」
「僕も一緒に行きたい」
そう言って立ち上がろうとしたけどまだ体が重いらしく俺にしなだれかかってきた朝陽さんを受け止める
「朝陽さんは休んでて」
「やだ…」
「そんなわがまま言わないで下さいよ」
「だって…離れたく無いんだもん…」
目を潤ませながら朝陽さんが上目遣いで見て来る
「もんって…キャラ違いますって…」
「あ…ごめん…僕…」
先を言わせないために唇を塞ぐ。驚く朝陽さんを見つめ返す
「今気持ち悪いって言おうとしたでしょ。気持ち悪く無いですから。可愛すぎて我慢できなくなりそうです…そんなに離れたく無いんですか?」
小さく頷く
「もう。しょうがないですね。じゃあ何かデリバリーでもしますね。適当にいいですか?」
可愛い朝陽さんを1人にしたくなくて結局デリバリーにする
数十分後やってきたピザとサラダを受け取り2人で食べる。
朝陽さんは頻繁に食べないピザを嬉しそうに口一杯にして頬張っていた。その姿は小さな子供のようだった。クスクス笑うと不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?」
「ここソース付いてますよ」
そう言うと唇の端に付いたソースを舐め取る
顔から火が出るかのように真っ赤に染まる頰を撫でた
それから数時間後、帰る支度をする。朝陽さんは少し不満の色を顔に滲ませていたが明日は学校。渋々着替えた。
マンションの合鍵を渡し、お互いの連絡先を交換するとそれぞれ帰路に着いた。
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