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第36話

しばらくすると伊澄が戻って来た。 「片桐くん聞いた?私と遥菜の事」 「はい」 「遥菜と俺は幼馴染なんだ」 いつもの表情と態度を崩して伊澄が話し始める。泣き疲れてもう一度眠った隅田の顔を愛おしそうに撫でながら 「遥菜はね、いい子過ぎて1人で我慢することを覚えてしまったんだ。俺は沢山甘えて弱音も吐いて欲しいんだけど中々頼ってくれなくてね。俺がもっとしっかりしていたらこんなにボロボロになる前に助けられたのに保健医のくせに…恋人のくせに気付かないフリなんて酷いやつだなって自分で嫌になるよ…こんなになった理由も俺には教えてくれないんだ…先に片桐に話したいって。俺には言えないことも君には言えるんだと思ったらすごく情けないんだけど…そして図々しいかも知れないけどこれからも遥菜の事お願いしたい…」 辛そうに年下の俺に頭を下げる伊澄は本当に隅田が大切だという事が溢れていた 「俺ができることなんか何もないよ。でも出来ることが見つかればやりたいと思う。だけど今1番隅田に必要なのは先生だよ。じゃあ、俺はボチボチ帰るね。隅田送ってやってね」 そういうと保健室を後にした。

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