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第38話

隅田から話を聞き胸がモヤモヤする。 俺が自分を曝け出すことが出来ていたら何か違ったかも知れない。少しでも気持ちが軽かったかも知れない。あんなになる前に何か出来ていたかも知れない。どんなに考えてもキリはないけど 隅田は曲作りに関してはとても繊細でこだわりもすごい。本人には無意識なプライドの高さで一つ一つ創り上げていく。納得がいくまで何度だって書き直す奴だ。そんなあいつが自分の書きたくない奴に書くなんて堪らないだろう。 未完成な曲を何曲も創り、世に送り出し聴くことは神経を擦り減らすには十分な理由になったのも頷ける。次の曲で最後だと笑っていたがそう簡単に遥を手放すとは考えにくい。 そうなる前に自分に何か出来ないものか…やれる事を模索する。でも出てくる答えは同じものだった。 「もしもし。母さん。直接会って話がしたいんだけど時間取れる?」 数時間後自宅に母と凛さんがやって来た 「今後仕事が大幅に減るかも知れない。それでも少しくらいあいつの負担が軽くなるのならそうしたい」 「今後のことは任せて。星が誰かのためにって考える事無かったからそっちの方が嬉しい」 「ありがとう。ねぇ、Luna e soleと一緒の仕事ってない?」 「いくらでもあるよ」 「一度共演したい」 「わかった。スケジュール調整してみる」

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