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第48話

目を開けると知らない部屋の天井が視界に入ってくる 目線を左右に動かせばそこは黒と深いブルーを基調とした洋風の部屋だった。夜空に抱かれているようなそこで遅れて下半身の違和感に気付く。 さっきまで話していたあいつ…なずなが俺に跨り体を上下左右に揺らしながら喘いでいた。 それを制止しようと声を出そうとするが出ない…体も痺れたように動かない… 「あっ…はっ…おはよ…星夜。やっぱり君のは格別だよ。あっ…ん…そろそろ君のも限界みたいだね。一緒にイこ…」 自分の意思とは関係無く震え果てた。俺にしなだれ掛かるなずなはサイドテーブルに置いてある飲み物を口に含みそのまま俺に口付け俺の口の中に流し込む。 「美味しい?…っていってもまだ声でないかな?フフフ…その目…最高…あ…ほらまた大きくなってきた…いいね…」 まだそいつの中にいた俺の一部が意思とは関係無く立ち上がる。 「これいいでしょ?最近お気に入りの媚薬なんだ…さぁ…始めようか」 一方的に繰り返される行為に嫌悪感は抱けど何も出来ない歯痒さにどうしようもなく… 早くこの時間が終わればいい…早く朝陽さんに会いたい…そう思い目を閉じる 「星夜…」 どんなに甘い声で呼ばれても、どんなに妖しく動かれても愛おしさなんて感じない。 あの店ではお気に入りの奴だったのは事実で恐らく誰よりも多く体も重ねてきた。こいつの好意に気付いてそれを利用していた部分も多少はあり沢山の無理難題を押し付けてきた。 こいつをこうしたのは明らかに自分なのだろう… 初めてあった時は人懐っこくいつも幸せそうに笑っていて繋がるときの表情は艶やかでその姿は堪らなく綺麗で俺を魅了していた。こいつを一度身請けしようと思ったこともあった。でも体を重ねる度に向けられる深過ぎる愛に恐怖感を覚え、逃げるように、何も伝えず離れた。 「ねぇ…星夜…君に会えなくなって僕がどんなに辛かったかわかる?どんなに苦しかったかわかる?僕ね…あの後ある人に買われたの。星夜のこと忘れないといけないって僕だって思っていたから」 腰を振りながら語りかけてくる。薄く目を開け見た表情は深い哀しみに包まれて静かに涙を零していた 「ねぇ…星夜…どうして急に僕を呼んでくれなくなったの?どうして約束して居たのに買ってくれなかったの?僕は君の為ならこの命だって惜しくないのに」 最後の日確かにこいつの問いかけに曖昧に頷いた。 今思えば何て酷いことをしてしまったんだろう。 「僕を買ってくれた人ね少し星夜に似てた。優しくて、カッコよくて…買われた日からその人の家で暮らして居たんだけどね…始めは本当に優しくて。これなら星夜を忘れられるかもしれないって思ってた…」
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