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第52話
「星夜!おはよう!」
重い瞼を無理やり開ける。俺の顔をなずなが覗き込んでいた
手足に違和感を感じる。
拘束されていた
「お腹すいたでしょ?ご飯持って来たから食べさせてあげる」
「いらない…」
「そう?じゃあ水くらい飲もっか?大丈夫。変なもの入ってないから」
口移しで飲ませようとするのを制止することもできず受け入れる
「星夜…いい子だね。ちゃんと飲めたね」
ポンポンと子供をあやすように撫でる。
「星夜…僕ね今日出かけないとならないの。だから大人しくお留守番しててね」
「…」
「寂しく無いようにこれ入れておいてあげるね」
なずなが取り出したのは玩具だった。胸の突起も後ろも前も玩具を装着される。なずなが電源を入れると全てが同時に振動を始める
「なずっ…」
「すぐ気持ちよくなるからね。じゃいってきまーす」
「なずっ…待っ…」
元々無機質な玩具は苦手で使ったことはなかった。初めての刺激に戸惑いながら次第に気持ちが高ぶって来る。
本当に俺は壊れてしまうかもしれない…こんなことが続けばきっと…涙が後から後から零れ落ちる…あの日どうしたらよかったんだろう…どうすれば…ごめん…なず…ごめん…朝陽さん…
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