61 / 690

第61話

朝陽side 下に降りるとくるみさんが到着していてやつれてしまった息子に眼を見張る でも何も言わず車を出した 車内は無言のまませいくんのマンションへ到着する。 「朝陽くん。星夜をお願いしてもいい?」 「はい」 「よろしくね」 初めて入るせいくんの自宅はせいくんらしいシックな作りだった。 「せいくん。大丈夫?」 まだ少しフラつくせいくんに声をかける。 「朝陽さん…会いたかった…」 消え入りそうな声でそういうと抱き締めてくる。その腕は少し震えていた。 「すいません。朝陽さん…シャワー浴びてきます」 「うん」 浴室に続く廊下を壁伝いに歩くせいくん。その背中はいつもより小さく見えた

ともだちにシェアしよう!