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第76話

久し振りのゆっくりした二人の時間はとても幸せだった 「せいくん」 「何ですか?」 「僕ここに住んじゃダメ?」 「えっ?ここにですか?」 「ダメかな?」 「家の方は大丈夫なんですか?心配されません?勉強に支障はでませんか?」 「大丈夫…むしろこっちの方が集中できる。家にいるとどっちにしてもせいくんのことばかり考えちゃって集中できないんだ…こっちだったらせいくんのものがあるから…」 「でも俺が来れない日もありますよ。俺のものがあるとかえって寂しくなりませんか?」 「せいくんの匂いあるから大丈夫。どうしても無理な時は実家帰る」 「匂いっ…て…」 「え…あっ…引いた?」 「いや…全然…可愛すぎて苦しいです… ここは2人のものです。好きに使ってもらっていいですよ。 さっきも言ったけど仕事の関係で帰れなくなる時もこれから増えてきますので開ける事は多くなると思いますが… それか俺ん家に住みます? そっちだったら何でも揃っているのですぐ生活しても困らないと思いますよ。 …あ…これ渡してなかったですね。合鍵です。スペアキー返して貰ってたから別で作りました。貰って下さい。 これあれば朝陽さんの好きな時に気分次第でどっちにも行けるでしょ?」 「ありがと…でもいいの?プライベートスペースだからあまり入れたくないのかと思って…」 「朝陽さんはいいんです。他の人は嫌ですけど。隅田や母でさえ入れたく無いですから」 「嬉しい…ありがと…」 「朝陽さんは特別ですから」 朝陽さんは目を潤ませながら俺の手を握っていた。こうして半同棲生活が始まった

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