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第78話
珍しく早く現場についていた関山がすかさず近寄ってくる。
一歩後ずさるが直ぐ様距離を詰められる。
「星夜くん、おはようございまぁす。今日緊張しちゃって眠れなくて早く着いちゃった…今日で最後なんて寂しいねぇ…」
「そうですね」
敬語も気付けば外されている関山に貼り付けた笑顔で返事をする
「わぁ…嬉しい…星夜くんも寂しいと思ってくれてたんだぁ〜」
思ってないけど。
「今日打ち上げ行くよね?」
「いいえ。僕はまだ未成年なので終わり次第帰りますよ」
まだ始まってもいないのに打ち上げの話とか…何なんだこいつ…
「じゃあ。日を改めて2人で打ち上げしよっ」
2人でをやたら強調しハートマークを浮かべているような声で耳元で囁く。
「関山さんに時間を取らせるなんて出来ませんよ」
絶対嫌だ。2人でとか絶対吐く…
「大丈夫だよぉ〜星夜くんの為なら時間開けるよぉ。私実は前から星夜くんのファンで今回共演できたことかなり嬉しくてぇ。今日で最後なんて思ったら…」
目を潤ませて言われても気持ち悪いだけだ。これが朝陽さんなら可愛いけど。
「そう行っていただけて光栄です」
「La nuit étoiléeも星夜くんがデザインしてるよね?私La nuit étoiléeの洋服も小物も大好きで良く身につけるんだよぉ〜今日も着てきちゃった」
「ありがとうございます。関山さんのような方に身につけていただきこの子達も喜んでますよ」
頭の先からつま先まで確かに俺がデザインしたものだ。黙って着て居てくれればそれはとても良く見える。
「この子達って…可愛い!」
「僕が創り出したんだから子供のようなものです」
「そんな星夜くんもカッコいいね」
「ありがとうございます」
「関山さん、相馬さんおはようございます」
会話を遮るように声がした。助かった。共演者の稀城だった。
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