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第90話

「教わることなんて無いだろう。断る。じゃ」 「お願いします」 「…」 無視して立ち去ろうとしたが見た目にそぐわない強い力で腕を捕まれた。 「片桐先輩。好きです。付き合ってください」 「は?無理。俺付き合っている人いるから」 即答するがなかなか諦めてくれない、何度も何度も押し問答を繰り返す 「じゃあ…じゃあせめてお友達になってください」 このままでは仕事に遅れてしまう。しょうがなく 「わかった。友達ならいいけどそれ以上にはならないからな」 そう答えていた。なずなのこともあったから変に勘違いされるような態度になら無いよう気を付けることにする 次の日から昼休みにクラスへやってくるようになり注目を浴びてしまう。それはそうだろう…冴えない俺と朝陽さん以来の可愛くて賢い後輩が俺に会いにくるのだから お陰でクラスメイトから恐る恐るだが話しかけられるようになってしまう その内容は単純に俺たちの関係が気になっている興味と宮部と少しでもお近付きになりたい下心丸出しのやつと様々だった。 隅田曰く、俺が登校しているときは勿論だが仕事で休んでいる時や早退をしている時でも教室へとやって来るらしい。 放課後にも来る宮部は家までついて来かねないのでワザと遠回りをし宮部を送り届けてから戻るようになりお陰で帰りが前より数分だが遅くなってしまう 大学生になった朝陽さんはバイトがしてみたいとバイトを始めサークル活動もしているようなので時間があいにくくなってしまい顔を合わせない日も増えてしまっている。会える日のこの数分が勿体なくてしょうがない 「ただいま」 「おかえり。また例の後輩くん?」 「そうです」 「せいくんのこと大好きなんだね。その姿でそこまで執着されることって珍しいもんねぇ」 「全く意味が分かりません…」 「でもあげないけどね」 チュッ… 「もう…可愛いですねぇ。朝陽さんはどうですか?変な奴に付きまとわれたりしていないでか?朝陽さんモテるから心配で…」 「ハハッ。今のところ何もないよ。気をつけるよ」

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