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第97話

隅田side 片桐が入学式早々告白されたと話していた。 仕事の時間が迫っていたこともありその日は仕方なく友達ならと答えたということだったが… その日から告白してきた宮部くんが毎日遊びに来るようになった。 華陵院先輩に雰囲気は似ているがどこか抜けてて変なのに絡まれないのかと心配になる。 片桐がいない日でもやってくる彼にやらしい目を向ける奴もいる。 そいつらが動くより先に彼の元に向かい片桐がいない事を伝える。 一言二言言葉を交わすと素直に戻っていった。 毎日見ていて違和感を覚えていてそれが何なのか数日後察した。 数日後、彼は幼馴染の望月を伴ってきた。 片桐が華陵院先輩に聞いていた子がこの子だ。 いつも以上に視線が集まるその先に居たのは人の良さそうな、背の高い爽やかなイケメン。 意志の強い目、彼を慈しむように見つめる表情。 それとは打って変わって片桐へ向ける目は厳しい。 2人並ぶと本当に絵になるくらい似合っていてまさにそう、恋人同士のようだった。 ふと視線を宮部くんに戻すと本人は気づいていないのか嫌そうな表情を浮かべてぴったりと連れの子に寄り添っていた。 他の人に関わって欲しく無いのだろう。 2人を交互にじっと見つめてしまったためそれぞれと目が合ってしまうが2人とも同じように顔を逸らした。 おそらく宮部くんの片桐に向ける好意はどちらかというと芸能人などに対するそれと同じようなもので、本人はそれが恋愛のものと勘違いしているんだろう。 片桐は自分のことに関しては元々鈍いので好意の目を見分けられていない。 後で何かしら片桐に伝えることにしよう。 宮部くんは恋愛に疎そうなので望月くんは苦労しそうだなと勝手に思う。 この子の想いがちゃんと届くといいなぁ…いい子そうだし… 自分に何か出来ないかなぁと考えては見るけれど得策は浮かばなかった

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