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第98話
今日は隅田のところで久しぶりのレコーディングだ。
滞りなく終わり談笑していると宮部の話になった
「宮部くんの片桐に対する好意ってさおそらく恋愛のものでは無いと思うんだよね…」
「友達に対するものだろうな。一旦はきっちり断ってるし…」
「いやぁ。そもそもそんなんじゃなかったんじゃ無い?」
「というと?」
「あの子の好きな人って多分望月くんじゃ無いかな?望月くん見る時って片桐や他に向ける視線と全然別物なんだよね。ただ、長く一緒にいるから気づいてないんじゃ無いかな?あの子鈍そうだし。だからさ2人ともうまくいくといいんだけどなぁ…」
「宮部天然だもんなぁ。望月も不憫だな。ずっと宮部しか見えてないのに」
「そうなんだよね。望月くんもすごくいい子だし」
「…何か仕掛けてみるか…」
「何言ってんの?」
「俺が俳優業もしてるの忘れてない?」
「…あ…わかった。でもほどほどにねぇ」
自宅に戻り朝陽さんに許可を得て行動に起こすことにした。
今日も宮部はやってきた。今日は1人だった。今日は屋上にいると前以て宮部に連絡を入れておいたので素直にきた
「あれ?望月は?」
「嶺ですか?今日は担任に呼ばれて指導室に行きましたよ」
「嶺、何かやったの?」
「いいえ。嶺は今度の英語弁論大会の代表で選ばれたんです。嶺は英語得意なので」
「あぁ。あれねぇ…今年は嶺が出るんだ」
わざと望月の下の名前で呼んで見る。さっきから戸惑った顔をしている宮部には悪いがもう少し付き合ってもらう
「宮部は選ばれなかったの?」
「あ…俺英語だけは嶺に勝ったことないんです」
「へぇ…嶺は今日は来ないの?」
「終わり次第来るとは言ってましたが…」
「そっか」
満面の笑みを浮かべて見る
「…嶺に早く会いたいな…」
今度は切なく微笑んで見る
「…」
「どうした?」
「いえ…何でもないです」
タイミングを見計らったように望月が現れる
戸惑う表情の宮部を見つけ俺を人睨みする
「愛斗。何かあった?」
「…何もないよ」
「愛斗。行こ」
「うん」
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