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第103話

その日から学校へ休学届けを出し仕事に没頭する。 幸い神楽学園は試験で規定の結果以上のものを出しさえすれば卒業は出来る。だから試験だけ別教室で受ければいいのだ。 今は少しも空いた時間を作りたくない。 自宅にも戻らず事務所やホテルに泊まることも増えた。 プライベート用のスマホの電源は切ったままだ 仕事は何でもこなした。自分はプロだ。こんな事で躓いている暇はない。 仕事に専念したお陰で周りの評価は上がっていった。 母や凛さんはそんなに没頭する俺を心配してくれていたが只管大丈夫だと言い続け無理にスケジュールを埋めてもらった。 仕事は元々好きだし苦はなかった。 今日は久々に隅田と仕事だ。相変わらずのでかい屋敷に入る。 「いらっしゃい…お前…飯食ってる?」 「食ってるよ」 「目死んでるぞ」 「気のせいだよ。学校最近どう?」 「変わらずかな」 「そっか」 「そんなに仕事詰めて…休学届け出した辺りで何かあった?」 「…朝陽さんと一年記念日に別れた…」 「はぁ?意味がわからないんだけど。あんなに仲良かったじゃん」 「まぁ色々な…」 「ちゃんと話ししたの?」 「いや…」 「もう一回ちゃんと話したら?」

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