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第104話
レコーディングを終え何時ものように談笑する。
「で?別れた理由は?」
「朝陽さんに新しい人が出来た」
「え?それ本人に聞いたの?」
「違うけどでも…」
あの日見かけたこと、次の日のメールのことを隅田に伝えた。
「ん~そう思ってもしょうがないけど…でもさ、絶対一回会って話した方がいいよ」
「今更会いたくない」
「もう好きじゃないの?」
「…好き…好きだけど…でも会いたくない」
「お前なぁ、どっちにしろ納得しなきゃ進めないだろ?」
「だけど…」
隅田が不意に電話をかけ始めた。少し席を外し戻る。
「今日の仕事これだけでしょ?飯食べてけ」
「でも…」
「今梅さんにお前の分まで用意しておくように伝えたからこれでお前帰ると梅さんの労力無駄にすんぞ」
あまり食欲はないのだが用意してもらったからにはと無理に完食する。
俺の調子が悪いことに気付いていたのか胃に優しそうなものを準備してくれたようだった。
梅さん…梅子さんは隅田家に仕えて最も古く、家を空けることの多い隅田の両親に変わって隅田を育てた育ての親でもある。
この家の中で一番隅田を理解している人であろう。俺の変化にも良く気付いてくれて、此処へ来る度度気にしてくれて俺にとっても第二の母のようだ
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