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第105話
梅さんの準備してくれた物は素朴だが優しく体に染み渡って行くようだった。
食べ終わり梅さんが片付けに来る。梅さんがこちらを見てふわっと笑い何も言わず頭を一撫でし、去っていった。
ドアが閉まり息をつく…
何故か涙が溢れて止まらなくなった
「あれ…?俺…どうして?」
「はぁ…お前さぁ、周りの目は誤魔化せても俺は誤魔化せないの。伊達に友達やってねぇよ。お前の母さんも心配してたよ。本当は甘えたり弱音を吐いたりして欲しいけど自分には全く頼って来ないから宜しくって」
「…俺…あの日ショックすぎて何も出来なくなって。起きてても朝陽さんの顔浮かんできて寝ても夢にまで出ちゃって…人を好きになることなんて知らなかったからもう訳わかんなくて…」
隅田は黙って聞いていた。
「やっぱりもうダメなのかな…」
部屋がノックされる。
隅田が部屋に招き入れる。ドアに背を向けたまま俯く俺を誰かが後ろから優しく抱きしめる…振り返らなくてもわかる…
「せいくん…」
後ろで震えているのでおそらく泣いているのだろう…
「何で…」
「んじゃ俺は書斎にいるからちゃんと話せよ」
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