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第107話

隅田side 今日は仕事で久しぶりに片桐と会うのだが… 来た瞬間の綺麗すぎる片桐の笑顔が休学前からするとどこか不自然で中身をどこかに置いて来たかのようだった。 片桐はプロだ。貼り付けられた片桐の笑顔の変化に気付ける人は少ないと思う。恐らく俺も関係が浅いものであるならば気付けなかったと思う。 側に居た梅さんも何かしら気付いたようだった。梅さんは元々良く気付く人だから何か感じたのだろう。 話を聞けば先輩と別れたと言う。あんなに仲が良かったのに意味がわからない。直接話していないと言うものだからますます意味がわからない。 別れるにしても顔を見て話さないと先に進めない。そう思うが一旦仕事を始めることにする。 レコーディングは問題ない。声が悪いわけでも感情を込められないわけでもない。むしろ以前より良くなってるように思える。けどやっぱり人形がここにいるのではと錯覚するほど遠い。そこにいるはずなのに手が届かないところにいるような感覚。 どうしても気になってしょうがない。 仕事をすべて完了し再度片桐に向き合う。 「で?別れた理由は?」 「朝陽さんに新しい人が出来た」 話を聞いていくと確かに先輩が他に出来たと思われる。でもあの人に限ってそんなことは無いような気がして。 やはり直接話した方がいいと思った。余計なことかとは思ったが以前先輩と連絡先を交換したことを思い出し電話をかけた。

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