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第122話
受験の日。少し早めについた俺は校内を見回る。
朝陽さんが良く行くと言うテラスへ目を向けるとこちらを見て大きく手を振っている朝陽さんを見つけた。隣には相変わらず神楽坂先輩も居た。
神楽坂先輩は訝しげに俺を見た
駆け降りてきた朝陽さんは人目を気にせず胸に飛び込んできた。
「ちょっと…朝陽さん…今日はダメですって…俺この姿だし…」
「あ…ごめん」
しゅんと目を伏せた朝陽さんに悶える
「朝陽さん…受験前にドキドキさせないで下さいよ」
いつの間に隣に来たのか神楽坂先輩がいた
「どう言うことだ?」
「お久しぶりです。神楽坂先輩。…これ…変装です。本当は…」
「お前が星夜だったのか…」
「はい…すいません…」
「はぁ…今までのお前の行動の意味がわかった…悪かったな。状況知らなくてきつく当たって」
「いいえ」
「朝陽のこと頼むよ」
「はい。でも俺が来るまではお願いします」
「わかってる。任せろ」
「心強いです」
「時間だぞ。いってこい」
「はい。行ってきます」
結果は合格だった。
隅田もまた同じ学部になる
「また宜しくな。片桐…あ…相馬?」
「どっちでも良い…」
「じゃあ…星」
「おう」
「俺のことも下の名前で呼ぶ?」
「んじゃ。はる」
「何か新鮮」
「にやにやするな気持ち悪い」
「えー!ひどーい」
相変わらずの隅田にほっとする
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