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第136話
カイの独特なペースで過ごしていたら時間になった
カイは時間を見ると誰より早く立ちあがりいそいそと玄関へ向かう。
「はーやーくー」
「お前なぁ…」
「カイさん可愛いね。小さい子供みたい。仕事の時は誰よりカッコいいのに」
「俺より?」
「ちがっ…そうじゃなくて」
「大丈夫ですよ。それ俺がよく知ってますから。黙っておけば良いんですけどねぇ」
「あーさーひーくーん」
「はい」
「可愛い!!」
「返事しただけですけど…」
「カイ。あんま見るなよ」
「星夜をこんなだらしない顔させることできるのは朝陽くんだけだね。楽しい…」
「楽しむな」
「だってあの星夜様を落とした子だからねぇ」
ヘラヘラ笑うカイを追って学校へ向かう。
もうすっかり高くなった空を見上げながら歩く。空にはいわし雲が浮かんでいた。
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