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第137話

久し振りの神楽学園はいつもと違って華やかに彩られていた。 校庭の花壇にはもうすぐ終わりを迎えるコスモスが咲いていた 宮部たちの喫茶は二階のかつて俺が過ごしたクラス。 目的地に到着するまでの間、朝陽さんのことを知る後輩たちに声を掛けられる。朝陽さんはあの頃のように物腰柔らかく対応していた。 一緒にいる俺たちに向けられる視線も痛いほど刺さるがカイの奇怪な行動に皆戸惑っていた 「星夜星夜」 「何?」 「ここ俺好みの可愛い子多いね」 「そう?」 「うん!俺も行っておけば良かったなぁ…高校」 カイは色々な事情で高校へはいっていない。中学ですらまともに行けていないのでこの空間がとても楽しいんだと思う。 何とか教室に辿り着くとメイド服を着た宮部と望月がいた。 直ぐ様カイは二人に駆け寄る。 「あー最高。やっぱりよく似合う」 カメラを向け何枚も何枚もシャッターを切っていく 「カイさん。こんにちは」 「嶺くんそんな緊張しないでよー」 「あ…だって…あのカイさんが…ここに…先日はすいません。俺みたいな素人がカイさんの代わりなんて」 「ぜんっぜん問題ない。かっこよかったぁ…本格的に始めちゃえば慣れてもっともっと…俺以上によくなる」 「とんでもない!!」 パシャ 「その顔も可愛い…」 「かいさーん。嶺はダメです」 パシャ 「焦る愛斗くんも可愛い。あーたまらなぁーい」 「カイ。落ち着け。他のお客さん驚いてるから」 後ろから両腕を羽交い締めにして言う 「もーわかったよー」 するとスイッチが入り振り返ったときには別人になっていた 「お騒がせしてごめんね」 ウインクをして回りに目をやった さっきまで戸惑っていた生徒やお客さんがみとれていた これがカイ。一瞬で纏う本物の空気は誰にも真似できない

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