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第144話
手元に目をやるとキラリと鈍く光るものが見えた
その瞬間、迷い無く俺の元へ駆け出した。
避けることは造作もないのだが今避けると角度的に朝陽さんに傷が及ぶ。
仕方無くそれを受けることにし目を固く閉じ待つ。
来るはずの衝撃はやってこなかった。誰かかそいつの後頭部を殴ったのだった。
「星夜に手を出さないで」
聞き覚えのあるその声に顔をあげる。
「…何で…」
「この馬鹿。私は朝陽だけ壊せと言ったわ。好きにしていいと。愛しなさいと。星夜に手を出すなんて論外よ」
「だって…藍乃ちゃん…」
「うるさい」
もう一度こいつを殴り倒す
「久し振り。星夜。会いたかった。さぁ一緒にいきましょう?」
「何言って…」
俺の腕を取り無理矢理に引っ張って行こうとする関山を払い退けた
「だって星夜は私のことが好きでしょ?でも朝陽のせいで私への気持ちを閉じ込めるしかなかったのよね?無理矢理に私たちを引き離した朝陽にはお仕置きが必要でしょ?いいじゃない。朝陽を誰よりも愛してる人に愛されたのだから朝陽はとても幸せよね」
狂気としか言いようがない関山を見上げる
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