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第156話
朝陽side
次に目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。
最初に目に映ったのは真っ白な天井。でも視界がぼやけてよく見えなかった
「朝陽!」
名前を呼ばれ恐怖からびくりと肩を動かした
「俺だよ。十夜」
「と…や…」
「親父呼ぶね」
「せ…い…くん…は?」
十夜は何も言わなかった。その代わり瞳が悲しく沈んだ
時間を開けず白衣を着た医者がやってくる
十夜の父さんだった
「朝陽くん。わかる?」
「…ゆ…き…さん…せいくんは?」
「相馬くんなら隣の病室で眠っているよ」
「だい…じょ…うぶなん…で…す…か?」
「何とも言えない」
「せ…いく…ん…に会…わせて…下さい」
「今はダメだ。食事が採れるようになるまでは動いてはいけない。それだけひどい怪我を君はしている」
体が鉛のように重い。腕も上げられないほどだった
「せ…い…くんに会いたい」
「はぁ…仕方ないな…十夜。寝台動かすから手伝って」
「わかった」
ベットに寝せられたまま病室を出て隣の病室へ入る。僕の部屋もせいくんの部屋も特別室なのかとても広かったのですんなりと入った
そこには沢山の機械に繋がれたせいくんが眠っていた。
「かなり深い傷でその傷からか目を覚まさない。朝陽くんも5日ほど眠り続けていたんだよ」
「せ…いくん…」
自分の体が動かないのがもどかしい。すぐに抱き締めて声を掛けてあげたいのに
「朝陽くん!良かった。目を覚ましたのね」
くるみさんだった。
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