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第175話

朝陽side 今日は初めて当日にお祝いできる。 この7年、辛いことや苦しいことも沢山あったけどそれ以上に得られた幸せは大きい あの日あの店に行かなければ。たまたませいくんが指名してくれなければこんな日は来なかったんだと思うとあの日の勇気は間違っていなかったと思う。あの日がとても大切な宝物のようだった 今の仕事だってせいくんに出会っていなければできていなかった。 そもそも自分が画面の中で動くことに興味なんてなかったから これがあって出会えた人も多い せいくんのお陰で僕は僕自身を見つけられた気がする。 これからもずっとこうして祝う事ができたらいいな。 そう思い店の扉に手をかける。 せいくんの待っている部屋に通される せいくんはいつも通りの綺麗な笑顔で座っていた 僕を見て立ち上がると啄ばむようなキスをくれた。 「朝陽さん。お疲れ様でした。お帰りなさい」 「ただいま」 「お疲れ様ーあーちゃん」 「夕兄さん。今日はありがとう」 「ごゆっくりね。何かあったら呼んで」

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