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第188話

どこにいってしまったのか何もわからない。 言われた場所には二人はいない。 最後に海へ向かった。 ここは神楽坂家のプライベートビーチ。3家族でよく訪れていたと聞く。 辺りはすっかり暗くなり月明かりだけが浜辺を照らす 薄明かりの下で浜辺のすぐ側に一台の車が停まっているのを見付ける 一緒に乗っていた悠紀さんが叫ぶ 「十夜の車だ!」 急いでそこから降り駆け寄る。 ドアには鍵がかかっていた。 車のシートがフラットにされていてそこに寄り添いながら目を閉じる人影があった。 窓ガラスを壊し鍵を開ける。 そこには全裸で繋がったまま。顔には少しの微笑をたたえたようにも見える二人がいた。 車の中はあの独特の臭いに包まれていて足元には小瓶が転がっていた 「朝陽さん!十夜さん!」 返事のない二人に声をかけ続けた

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