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第197話
日本に戻り俺はデザイナーをメインとし、併せてスタイリストをすることを選んだ
表舞台には戻らない。
海外へ行き、ステージ上で輝くことより後で支えたいと思うようになった
多くの人を飾っていく。その過程が好きだ。
自分が選んだものを着て貰い笑顔が見られることが嬉しい
今日は彩芽さんと一緒の仕事
「せいちゃん。更に男前になったわね」
「あははっ。彩芽さんも相変わらず美人ですね」
「ありがと。元気だった?もう平気?」
朝陽さんのことだろう
「元気にしているのならいいです。立ち直れて良かった」
「そうね。せいちゃん。今日終わったら付き合ってよ」
「いいですよ」
朝陽さんは凛ちゃんの事務所に復帰しそこで俳優業を再会していた
始めは断ったそうだが凛ちゃんの熱意に負け今に至るという
俺は事務所には戻らないので特に気まずさなどはなかった
時おり凛ちゃんから朝陽さんの話は聞く。それは俺が望んだことだった。
聞く度元気なようで安堵した
母は俺と一緒に凛ちゃんの事務所を去り、現在は父の会社と俺のブランドを仕切ってくれていた
更に艶を身に纏った朝陽さんは本当に綺麗で演技力も申し分無かった。
今までは演じてこなかった役も全て受け、評判は以前より格段に良くなっていた
神楽坂先輩は少し時間は掛かったが悠紀さんの病院で医師として勤務しているそうだ
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