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第207話

現場の空気間が気持ちいい。 とても懐かしい。ここにいること、好きだったな…。 「あ!相馬さん!おはようございます!お疲れ様です。こっちです」 衣装部屋にはいくつもの色とりどりの物が準備されている 「担当して欲しいのは主演の方です。ご存知ですよね?」 出演者名簿を受けとり固まる。 主演 華稜院 朝陽 準主演 稀城 鷹臣 助演 望月 嶺 若い彼は俺と朝陽さんの関係を知らない。 何の意図もなく俺に依頼したのだろう 固まった俺を心配そうに覗き込む 「相馬さん。どうしたんですか?」 「いや…何でもないよ…何時入り?」 「もう到着されます。あ!いらっしゃいました!お疲れ様です。華稜院さん」 「よろしくお願いします…」 俺の姿をとらえた朝陽さんは目を見開く。 「急きょ桜庭がこれなくなってしまって…今日は相馬さんが担当になります。 桜庭の代わりができる方が相馬さんだけだったので…」 「そうなんですね。宜しくお願いします」 「宜しくお願いします…華稜院さん…」 涙で霞む目を見られたくなくて深々とお辞儀をし深呼吸をして無理矢理に涙を引っ込めた 今、目の前に愛しい人がいる…抱き締めたくなる衝動を必死で押さえた 「じゃ僕は稀城さんのところへ行ってきますね。相馬さんお願いします」 そう言うと駆け出していった

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