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第223話
朝陽side
しばらく呆然と立ち尽くしていると十夜がやって来た
「お疲れ様。朝陽…? どした?…」
心配そうに顔を除き混む十夜の目が見れなかった
「何でもないよ。少し疲れただけ」
「…相変わらず嘘下手だな…」
「え?」
「何でもない。帰ろうか」
「うん」
自宅に戻ると十夜がいつものように抱きしめキスをしてくる
が…無意識に避けてしまう
「ごめん…なんか…今日かなり疲れちゃってるみたい…」
自分の行動に驚いた…今更避けたとしてもどうにもならないのに…もっと先のことまでしているのに…
でもなんとなく今日は触れられたくなかった…
「ごめんね。お風呂入ってくる」
熱めのシャワーを浴びながら忍び泣いた…
こんなに好きなのに…どうしてあの時手を離してしまったんだろう
繰り返す後悔の念は留まることをしらなかった…でも…
浴槽に体を沈める。そっと目を閉じた
今は十夜がいるんだから…
今とても幸せだよ…十夜…
十夜のこと大好きなんだよ…
なのに…何で…
「朝陽、大丈夫?」
「あ…ごめん。眠っちゃてた…今から上がるね」
長く浸かっていたいたようだ。十夜が心配して声を掛けてくれる…こんなに僕のことを想ってくれて…こんなに優しくて…こんなに安心をくれる人を僕は…
「朝陽!!??」
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