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第232話
十夜side
「何年一緒にいるって思ってるの?そんなのウソだってわかるよ」
「十夜…」
「なんでも話して?俺たち…親友…でしょ…?」
恋人じゃなくて親友と言った理由はその方が朝陽の気持ちが楽なんじゃないかと思ったから
本当は気付いてた…ただ寂しくて一緒にいるだけってことくらい…いつかはこの関係を終わらせなければならないことくらい…
朝陽の中には本人が気付かないけどまだ星夜への気持ちがある。
その思いに無自覚に蓋をするために俺に愛の言葉を囁いていることくらい…知っていた…
本当は心から笑えていないことくらい…知っていた…
「…今日…せいくんと会った…」
「星夜と…」
何となく嫌な予感をしていてそれが当たった瞬間だった…
俺は朝陽を愛している。
これは紛れもない事実だ…
でも朝陽と俺の気持ちには大きなずれがある。
本当は朝陽は星夜のところへ戻りたいって思っているはず…
「そっか。元気してた?」
「うん」
朝陽の瞳が揺らぐ…俺に対して罪悪感が芽生えているのだろう…
やっと朝陽が自分の気持ちに気付いたんだ…。星夜に会ったことで…
「…それだけじゃないでしょ?」
朝陽本人からその事を聞きたい…
そうしたら諦めることが出来そうだから…
朝陽からの返答はない…長く重い沈黙が続いた
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