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第236話
朝陽side
「ごめん…十夜…僕はもうせいくんのこと何でもないって思ってた…でも…会ったら…抱き締めたくなった…僕はまだせいくんのこと諦められてなかったみたい…」
「…やっと…気付いた?…」
「え?」
「俺はわかってたよ」
十夜が遠くを見つめながらそう言った。
「だって朝陽俺のこと話してるとき俺をみていないから」
「でも僕はちゃんと十夜が好きだよ」
「知ってるよ。でもさ俺に対する好きと星夜に対する好きって違うでしょ」
「…」
「言葉がでないそれが答え。
美那がいなくなって俺は寂しかった。
一人になりたくなかった。
朝陽もあのとき星夜と一緒にいれなかった。
だからお互い寂しさ埋めたかっただけ。
寂しかったから体重ねてきただけ。
その後は猛る本能を解決するための行為。それがいつのまにか愛情だって勘違いしてた。ただの情でしかなかったのに。俺はもう大丈夫だよ。もう先に進めるから。だから朝陽ももう一度星夜と向き合ってみたら?」
「でも…せいくんにはもう新しい人がいるんだよ。だから元には戻れない」
「だとしても朝陽が先に進むためには星夜と話さないとならないと思うよ。だから話してみたら?それでもしうまくいかなかったとしたら俺が慰めてやるよ。だって親友でしょ?」
「十夜…ありがとう…」
「そんな顔すんな。星夜の番号わかってるんでしょ?」
「うん」
消せなくてずっと残っていた
「電話したら?」
「今日はもう遅いから明日にする。十夜…今日は抱き締めて眠ってくれる?」
「いいよ」
二人で一緒に眠った
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