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第240話
カイside
うまく笑えてたかな?
自宅を出て店へ向かう…
はぁ…これでこんな関係も終わるのか…
友達でいられるかな…
わからないけれど星夜の幸せな顔見たいな…
店に到着し着替える。
俺の店はコスプレ喫茶。いろいろな衣装が並んでいる。
俺の夢の場所…
俺は毎日女装だけど…これがストレス解消の方法だから。
鏡に向かいメイクを施す。変身している時間がいろいろ忘れさせてくれるのだけど…
今日は無理みたい…いつもよりも簡単なメイクをしメイク道具を置きため息をついた
星夜…まだこんなに好き…
「おっはようございまぁす」
キャストが出勤してくる
「てんちょ!何か今日は元気ないすね」
「ちょっと寝不足気味なんだぁ」
「うわぁ…お肌に悪いすね…」
「そだねぇ。お手入れ念入りにしなくちゃ」
「あ!新作のサンプリングありますよ!使ってみます?」
こいつは如月 蓮華
元々女装仲間だった。
化粧品メーカーの御曹司ではあるがとても放任主義な両親なので蓮華の女装癖に関しては何も言わないどころか逆に喜んでいる。
使用者の生の声が直接入るのだから次の開発のヒントに繋がるとかで歓迎されているようだ
そんな両親の元育った蓮華は兎に角明るくて社交的。すぐに誰とでも打ち解ける
「はい。どうぞ。これ俺が最初から開発入ってるからかなり出来いいですよ!自信の商品です」
「ありがと」
「店長…」
「ん?」
「今日は裏にいてください」
「え?でも」
「そんな顔でお店出たらお客さん心配します」
「なぁんでぇ?」
「顔死んでますよ」
気付いていなかったがとてもひどい顔らしい…おとなしく蓮華の言うことを素直に聞いた
キャストたちが店頭に出て俺は裏で雑務をこなす…
…あれ…また泣けてきた…
俺…ダメじゃん…星夜…会いたいよ…
机に突っ伏して目を閉じる…
星夜と過ごした日々が走馬灯の様に駆け巡り涙が止められなかった
はぁ…星夜のばぁか…俺の…ばか…
泣き疲れて眠っていたらしい。肩にブランケットが掛けられていた
どれくらいの時がたてば吹っ切れるんだろう…星夜…大好きだよ…
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