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第253話
朝陽side
せいくんから連絡があった。嫌な予感は現実のものとなる
せいくんはやはりカイさんの元へ戻る選択をした
待っていてなんて言えないと言っていた。
幸せになってくださいって…
カイさんに何があったのかはわからないけどきっと今せいくんが離れてしまったらカイさんがどうにかなってしまうんだ…
カイさんはせいくんの大切な人。せいくんがやりたいようにしてもらいたい
涙は止まってくれないけど十夜にはもう縋らないと決めたんだ。
どのくらい待たないとならないのかわからない…戻ってこないかもしれない。でも僕は待つ選択をした
その時十夜が帰宅してきてリビングで静かに涙を流す僕に驚き抱き締めてくれた
「どうした?」
「せいくんの気持ちも聞けてもう一度この指輪はめられたんだけど…カイさんの元に戻っちゃった」
「は?どういうことだよ」
十夜に明らかに怒りの色が見て取れた
「カイさんの身に何かあったみたい。待っていてなんて言えないって言われた」
「星夜に連絡する」
「待って!ダメ!」
「はぁ?何で?意味がわからない…」
「今せいくんに連絡したらカイさんが壊れちゃうのかもしれない」
「誰が壊れようがそんなのどうでもいい。朝陽がそんな顔してることが嫌だ」
制止を聞かずせいくんに電話をしてしまう。でもせいくんは出なかった
「くそっ…」
「十夜。僕はここを出る」
「え?」
「そしてせいくんを待つよ。ありがとう。十夜」
「でも…お前…」
「大丈夫。決めたから」
涙を浮かべたまま笑う
十夜はため息をついて頷いた
決めたら動かないことを十夜は知っているから…
その日は泊めてもらい荷物は後日取りに行くことにした
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