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第255話
食事を終え病院へ向かう。
病室を聞き向かうとき十夜さんと擦れ違った
「お久しぶりです」
「うん…何しに来たの?」
「お見舞いです」
「誰の?」
「昨日運び込まれた人のところです」
「…如月さん…」
「はい」
とても苦しそうに十夜さんが俯いた…
「会話できないかもしれない…」
「どういうこと?」
黙って聞いていたカイが声をあげる。二人は勿論顔見知りだ
「精神的なショックが大き過ぎて安定してないんです…それでも行きますか?」
おそらくカイの姿を見て何かしら察した十夜さんは気遣うように聞いてきた
「様子だけ見てきます。カイはどうする?待ってる?」
「行く…」
震えながら俺の服の裾を掴みながらいった。
「カイさん。後で診察しますね」
「いやだ…」
「だめです」
「わかった…」
まっすぐな視線に嫌々ながらも頷いた
「じゃあ後程」
部屋につき深呼吸をしてドアをノックする。返事が聞こえたので部屋にはいる
如月さんのお母さんがきていた。仕事で一緒になることもあるので知っている顔だ
「蓮華今眠っているわ…カイくん大丈夫?あなたもひどい目に…」
「俺は大丈夫です…彼がいてくれたから」
「よかった」
「申し訳ありません。自分の監督不行き届きです」
「謝るくらいなら蓮華の側に来てくれないかしら?」
「はい…」
震えるカイを支えながらベッドのとなりの椅子に座らせた。
「蓮華はねあなたのことが大好きだって言ってた。一人一人を1人の人間としてちゃんと見てくれるって。蓮華は物心ついたときには如月家の御曹司として見られてきた。小さい頃から蓮華自身を見てくれる人なんていなかったからとても嬉しかったのよ」
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