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第259話
「朝陽に聞いた」
「すいません…」
「状況はよくわかった…」
「…」
「…朝陽はお前を待つと言って家を出ていった」
「そうですか…」
「早く…迎えにいってやってくれ…」
「先輩が…朝陽さんの側にいてあげてください…カイの心の傷はとても深い…数日、数か月どころで解決できるとは思えません…一人で解決できるわけありません。何年かかるのか想像もできません…」
「それでも朝陽を幸せにできるのはお前しかいない…今回のことで良くわかった…俺じゃダメなんだ。だから…あ…如月さん」
「蓮華さん。目覚めたんですね。動いて平気ですか?」
「今の話はどういうことですか?同情で店長の側にいるってこと?」
「…ちがう…俺が側にいたいだけです」
「じゃあ…どうして先生はそんな怖い顔してるの?どうして星夜さんはそんな辛そうな顔してるの?そんなんで側にいられたって店長が苦しいだけです…やめてください」
「離れられません」
「じゃあもう朝陽さんのところには戻らないと約束してください。星夜さんのしていることは朝陽さんにも店長にも失礼です」
「それは…」
「俺が側にいるから」
「え?」
「俺にとってカイさんはとても大切な人なんです。俺が支えます。俺をカイさんが救ってくれたように」
「如月さん…酷ですが…今の雪代さんにとってはあなたが側にいることの方が心の負担になります。自分がされて傷付いたことより自分が注意していなかったばかりに自分が雇った、信頼していた従業員があんなことを起こしあなたを傷付けた。彼は誰よりも人のことを思う人です。わかりますよね?」
「…でも…俺は…」
「今の雪代さんにとって一番必要なのは星夜です…」
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