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第270話
結局家には戻れないまま朝を迎えた。
頭を冷やそうと車の外に出た。
空気はまだ冷たく身震いするが気持ち良かった
これからどうしよう…考えあぐねいていた
空は徐々に明るくなっていく。暫く見ていなかったこの高台からの朝日が俺を照らしていた
「星夜?」
呼ばれたことに驚き振り返ると十夜さんがいた
「どうしたんですか?こんなところで」
「朝の散歩。家がこの近くなんだよ」
「そうなんですね」
「お前こそどうした?如月さん1人にして平気なのか?」
「ん〜…どうだろう…」
「何かあったのか?」
昨夜の出来事を話す
「でお前はどうしたいんだ?」
「それがなかなか答えが見つからなくて…」
「朝陽の元へ戻るきっかけになったんじゃないか?」
「…なんかそれも今じゃない気がするんです。今朝陽さんには俺は必要ないはずです。もう一人で立っていけているから…」
「俺個人的には今すぐ朝陽の元へ行けと言うんだが…医者として言うなら…多分…このまま放っておくとダメだと思う。ちゃんと話聞いてみて?」
「はい…」
結局自分がどうしたいのかはわからなかった。でもカイの顔を見てちゃんと話そうと決め十夜さんにお礼を言い踵を返した。
この時間ならまだ家にいるかもしれない…帰っていればの話だが…
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