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第276話

帰国前日朝陽さんと二人で食事を摂ることにした、 今回のスタッフは俺と朝陽さんの関係を知っている者も多く周りが作ってくれた時間だった 「朝陽さんとこうして食事するの久しぶりですね。お仕事忙しそうですね」 「お陰様でね。カイさんは元気?」 「おそらく元気です。何の連絡もないことがいい証拠ですね」 「そっか。良かった。ねぇせいくん」 「はい」 「もうせいくんの中で僕は過去の人になってるよね?顔見たらすぐにわかったよ。だから…僕は君から離れるね。今までありがとう」 服の中に隠れて見えなかったネックレスの先にあのリングが光っていた それを手に取り返してきた 「せいくんと過ごしてきた時間はとても幸せだったよ。もう苦しくない。だからこれからも仕事仲間としてよろしくね」 「はい。俺も朝陽さんと過ごすことが出来て幸せでした。朝陽さん。幸せになってくださいね。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」 …別れは突然だった… お互い笑顔で別の道を歩く。 もう振り返らない。 沢山の出来事を経験した。 喜びも怒りも哀しみも楽しみも全て朝陽さんと共に経験した。 狂おしいほどの想いも朝陽さんだったから抱けた。 きっとこの想い出は全て俺の糧となり生きていくのだろう 俺の勝手な事情から巻き込んだ朝陽さん 俺の人生の中で大部分を占めている朝陽さん 本当に愛してた。 本当にあなたと過ごせてよかった… あなたとの時間が俺の宝物です

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