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第284話
土門side
先輩が朝陽くんを泊めろと言ってきた
突然のことに表情を見るがいつもと同じ笑顔だった
朝陽くんが店を出ていく姿を霞くんが追いかけようとするのを先輩が止めた
何事かと良く見てみると…あぁ…そういうことか…察した
朝陽くんに明らかに向けている好意の表情。ただし多少目の色がよどんでいる気がした
朝陽くんを性的な対象として…おそらくどこか歪んでいそうな感情
朝陽くんは本能的に察しているのだろう。
おそらくこの感じだと朝陽くんの自宅まで知られていそうだ。
朝陽くんのスケジュールまで把握しているだろう
だから今一人になるとどうなるのか?
先輩なりに心配し一人にしないように気を回したのだろう
朝陽くんは確かに女性よりも綺麗だしとても優しくて良い子だ
どんなに有名になろうとも彼が天狗になることはなかった。
とても気を使い努力だって相当している
彼の評判は彼の努力の賜物だ
朝陽くんを部屋に招き入れる。
柔らかく笑う表情はやっぱり綺麗で見蕩れる
彼は良い意味でも悪い意味でも隙がある
特に相馬くんと別れてからは纏う焦燥感で色気が増してしまっている
いつ何かに巻き込まれてもおかしくないだろう。
こんなとき十夜くんが側にいれば何かが違うんだろうけど…でも朝陽くんは十夜君には頼ろうとしていない
十夜君の自分に対する想いを知っているからこそ利用するみたいになってしまうことが嫌なのだろう
でもこのままだと心配だ…自分たちがそばに居られればいいけどそれは難しい…
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