293 / 690
第293話
朝陽side
せいくんが来てる…どうしよ…涙出そう…
今姿を見たら間違いなく泣いてしまう…
急ぎ足で備え付けてある部屋に向かう
時間が空いたときや帰れないときに泊まれる部屋で生活に困らないようになっている
回りを見ていなかったから人にぶつかってしまう
「あ…申し訳ありません…あ…霞くん…」
「大丈夫ですか?」
「ごめんね。見てなくて」
「いえいえ。役得です」
「あははっ。じゃあお疲れ様」
立ち去ろうとすると強く腕を捕まれる
「痛い…何?どうしたの?」
「今日朝一緒にいた人恋人ですか?」
「え?」
「朝から一緒にマンションから出てきましたよね?」
「何で知ってるの?」
「朝陽さんのことならなんでも知ってますよ…」
「ちょっと…離して…」
無理矢理に部屋に連れ込まれる。
「俺あんなに誘ったのに構ってくれないしこんなに好きなのに…」
「ごめん。僕はそんなつもりはない。離して?」
「嫌です。俺のものになってくださいよ。朝陽さん」
「ねぇ。ここ事務所。ばれたら霞くんただじゃすまないよ」
「嫌です」
「ねぇ。やめて?」
押し倒される。霞くんは可愛い見た目とは違いとても力が強くてどんなにもがいても動くことができなかった
「ねぇ…俺のものになってよ」
「霞くん。やめて。君を待っているファンの人たちがたくさんいるんだよ。こんなことして裏切ってはダメだ」
「いやだ。朝陽さんいないなら意味ない。朝陽さんに好きになってもらいたい」
「こんなことされて好きになると思う?僕は君の才能はすごいって思ってた。一緒に仕事してみたいとも思ってた。でもこんなこと…違うよね?」
涙を流しながら言葉を紡ぐ霞くんをしっかり見据えて話す
でも僕の言葉は彼には届かない
顔を寄せ唇を塞がれた
舌が口内に侵入し口の中を犯す
「ねぇ…俺を選んでよ。俺のものになってよ」
「霞くんやめて!!」
ともだちにシェアしよう!