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第307話

朝陽side せいくんが期間限定で歌手活動のみの復帰をする事になった 事務所で姿をみることも増え以前のように普通に会話できていると思う 僕よりも高い位置にある顔を見ながら相変わらずのかっこよさに見とれてしまう せいくんは気付いでいないのだけれど 十夜とは結局一緒には住まず引越しだけはする事にした 事務所にはその旨を伝え了承をもらった 十夜の自宅の近くにしたことで十夜も渋々了承してくれた 十夜には早くせいくんに自分の思いを伝えろって言われるんだけどいざその時になるとどうしても勇気を出すことが出来ず結局当たり障りない話ししかできないまま時だけが過ぎて行く 今日は毎年恒例の事務所の新年会が行われていた。ホテルのホールを貸切り、関係各所のものが多く集まる もちろん霞くんもいるしせいくんだっている。 僕のところには華陵院の関係の人が先程から入れ替わり立ち替わり話しかけて来た。 「お久しぶりです。華稜院さん」 「お久しぶりです。北元社長。順調のようですね」 「お陰様で。あの時は申し訳ございませんでした」 関山さんの件のことだろう 「もう過去のことです。これからも宜しくお願いします」 「あの華稜院さん。少し二人で話せませんか?」 何事かとは思ったがここでは話しにくいことなのだろう 「わかりました。あちらでいいですか?」 「はい」

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