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第317話
朝陽さんに抱き締めて欲しいと言われ素直に応じた
すぐに寝息をたて始めた朝陽さんの髪を鋤く。柔らかい朝陽さんの髪を指に絡め遊びながら息を吐く…
もう認めるしかないのだろう…俺は朝陽さんにもう一度恋をした…
学生時代よりもいくらか低くなった声…
仕事に対する姿勢…普段の柔らかい笑顔…
その笑顔を守りたいと思った。
我ながら勝手だと思う…何度も手を離して来たのだから…俺の中の朝陽さんはやっぱり消えていることはなかったのかもしれない…
確かにカイといるときは朝陽さんのことは考えることはなかった…
カイが如月さんといるのを見たら胸が痛くなっていたし、カイが如月さんを選んだときは苦しかった…だからカイのことは本当に好きだったと思う。でも朝陽さんへ抱いていたあの狂おしいほどの想いはきっと持っていなかった…
だからカイが如月さんを選んだとき始めは苦しかったもののそれは僅かの時間だった。
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