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第319話

十夜さんは帰ったが朝陽さんはまだ眠っていた このまま帰ろうかとも思ったがなかなか帰る気分にはなれず事務所の中をうろうろする 朝陽さんが休んでいるのは凛ちゃんには報告済み 「星夜」 「凛ちゃん」 「十夜くんは帰ったの?」 「はい」 「そう。星夜も休みなさい。朝陽くんのとこで」 「朝陽さんのところですか?」 「何か問題ある?」 「…」 「あんたじゃないと朝陽くんの変化に気付けないでしょ」 「わかりました」 凛ちゃんに促され再度朝陽さんの元へ向かう。扉の外に霞が見える。 急いで駆け寄り声をかけた。 「そこで何してる」 「相馬さん…華陵院さんが…倒れたって聞いて…心配で…」 霞の目は嘘をついているようには見えなかった 「今眠ってるからそっとしておいて」 「…あの…大丈夫なんですか?」 「もう大丈夫だと思う」 「良かったです。じゃあ失礼します」 霞はあの後朝陽さんに何かしてくることはないと聞いていた。それは本当だろう 本当に心配してそうな表情をみて今後も何もしてこないかと思えた 部屋にはいるとまだ朝陽さんは寝息を立てていた

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