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第322話

朝陽さんが俺の元へ戻ってきてくれた…それだけで胸が熱くなる… 本当に俺でいいんですか?その問いに頷いてくれた… 久しぶりの感情…側にいるだけでこんなにも暖かい… 「朝陽さん…愛しています…」 どんな言葉でも足りないほどの想い… 「せいくん…僕も愛してるよ…でも…こんな言葉じゃ足りない…」 溢れてくる朝陽さんの涙をそっと指ですくった… あぁ…この人はどうしてこんなに綺麗な涙を流せるんだろう… どうしてこんなにも… 抱き締めた腕の力を強める それに応えるように朝陽さんも腕に力を込めてくれた。 幸せだ…本当に… 「ねぇせいくん…帰ろ?」 「はい」 朝陽さんに手を引かれ事務所を後にした この手が離れませんように…そう願った

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