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第326話 そんな俺の事情…その後

十夜side 朝陽の体のことが気になって電話をした 思いの外元気そうな声が聞こえ、安堵した 「せいくんとやり直すことにした」 朝陽がそう伝えてきた。 自然と笑みがこぼれる自分に驚いた 本当に良かった…朝陽が幸せであるならそれでいい 自分の中で何かが吹っ切れた瞬間だった。星夜と一緒にいるということだったので電話をかわってもらう 戸惑う星夜。それもそうだろう。きっと俺の中でまだ朝陽のことが昇華しきれていないと思っているはずだから 「星夜ありがとう。良かった。朝陽のことよろしくな。お前になら安心して任せられる」 これは本音で、しっかり伝わったと思う。 星夜の声が変わったから 「また次泣かせたら承知しないからな」 「はい。分かっています。もう…悲しませたりしません…俺は朝陽さんを愛しているから」 決意に満ちた星夜の声。 それに嬉しくなる 「妬けるね…今度一緒に飲みに行こうな」 二人に会うのが楽しみだ。きっとあの頃のように後ろに花畑が見えそうだ その姿を想像しながら笑った 朝陽が幸せでありますように。

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