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君が幸せでありますように。6

目を覚ますとそこは病院だった。 ベッドの横に母がいた 「蓮華…良かった…」 「カイさんは?ねぇカイさんは?ねぇってば」 自分でも今まで出したことのない強い声に母が驚いていた 「母さん!!カイさんは!!」 声を聞き付けて医者がやって来た。この人は知ってる…神楽坂さんだ。 「如月さん。雪代さんなら大丈夫だから落ち着いて」 「俺…カイさんを…助けられなかった…俺っ…俺っ…」 「大丈夫ですよ。大丈夫ですから」 その後も何度も叫ぶ俺は鎮静剤を打たれまた横になった 目が覚める度カイさんのことが思い出され叫び続けていた 翌日。思い焦がれていたカイさんが相馬さんと共に病室に立っていた 「蓮華…」 カイさんが俺の手を握る 少し震えているように感じた 「てんちょ…ごめんなさい…俺のせいで…ごめんなさい…」 俺がもっと気にしていればこんな目にあうことはなかった 「蓮華は何も悪くないよ…俺の見る目がなかっただけ…蓮華は何も悪くない」 カイさんはとても辛そうな表情をしていた 「でも…俺が…気を付けてたら…店長まであんな目に遭うことなかったのに…」 「数人がかりだったんだから敵うはずないよ…大丈夫…俺たちは男だからそう簡単には壊れない…大丈夫…」 苦しそうなカイさんを見ていて辛い…守りたかったのに…

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