333 / 690

君が幸せでありますように。7

「起こってしまったことはどうすることも出来ない…これからどう生きるかだよ。仕事どうする?辞める?」 カイさん俺を気遣って言ってくれていることはわかった。でも… 「辞めません…店長がいるから…」 カイさんから離れる気は毛頭なかった。 俺はまだ何も返していないのだから… カイさんの顔が歪む…そして弱々しく笑った…その表情が苦しい…わがままですいません…でも離れたくないんです… 「ありがとう。しばらくは他のみんなでちゃんと回せるように指示しといたから安心して今は休んで。俺にできることはある?」 出来ること…カイさんに触れたい…そっと母を盗み見ると相馬さんを連れ部屋に2人にしてくれた 母たちが出て行きカイさんの目を見つめた…なかなか声が出ない… 「カイさん…俺…汚れてますか?」 とてもずるい質問だと思う… 「汚れてないよ。だってまだ蓮華は蓮華でいるじゃない」 あぁ…この人は本当に優しい…その優しさに漬け込むように自分でも信じられない言葉が出る 「…じゃあ…俺にキス出来ますか?あの時のように…」 カイさんに触れたいがための願い…何て醜いんだろう…でもそんな風になってでも今目の前で消えてしまいそうな笑顔を浮かべるカイさんに触れたかった…ここにいることを肌で感じたかった カイさんが唇を重ねてくれた…これだけじゃ足りなくて薄く唇を開くとカイさんが深く深くしてくれる やっぱりとても官能的で離れた時に思わず甘い声が漏れた。 カイさんが優しく名前を呼んでくれる…嬉しかった 「これでまた頑張れそうです」 そういうとカイさんが抱きしめてくれた…暖かい…そのまま目を閉じ意識を手放した。かいさんの辛そうな呟きは俺には聞こえなかった 「ごめんね…蓮華…」

ともだちにシェアしよう!