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君が幸せでありますように。8

次に目を開けるとカイさんの姿が見えなくてもう帰ってしまったのだろうと肩を落とす もう体が動かせそうだったので廊下に出て見ることにした。 まだ近くにいるかもしれない…淡い期待をして… でも…聞こえてきたのはあまりにも腹立たしい会話だった 我慢ができなくて歩み寄ると神楽坂さんが俺に気づいた 「今の話はどういうことですか?同情で店長の側にいるってこと?」 他に好きな人がいるのにカイさんの気持ちを知った上で側にいるなんて…カイさんが惨めじゃないか…だったら俺が側にいる。俺が幸せにする。 「…違う…俺が側にいたいだけです」 嘘だ…だってそんな顔… 「じゃあ…どうして先生はそんな顔をしているの?どうして星夜さんはそんな辛そうな顔をしてるの?そんなんで側にいられたって店長が苦しいだけです…やめてください」 どうみたっておかしい…店長はあんなに相馬さんが好きなのに…相馬さんは… 「離れられません」 今度は強く…迷いなく俺を見据えて発した。意味がわからない…じゃあ… 「じゃあもう朝陽さんのところには戻らないと約束してください。星夜さんのしていることは朝陽さんにも店長にも失礼です」 「それは…」 苦しそうな表情でつぶやく相馬さんの言葉を遮る 「俺が側にいるから」 これは本音だ。俺が側にいるんだから俺が支える。俺はカイさんが好きだから… 「俺にとってカイさんはとても大切な人です。俺が支えます。俺をカイさんが救ってくれたように」 だから…俺にカイさんをください… でも…神楽坂さんがとても辛そうに告げる… 「如月さん…酷ですが…今の雪代さんにとってはあなたが側にいることの方が心の負担になります。自分がされて傷ついたことより自分が注意していなかったばかりに自分が雇った、信頼していた従業員があんなことを起こしあなたを傷つけた。彼は誰よりも人のことを思う人です。わかりますよね?」 頭を鈍器で殴られたかのような衝撃だった… 「…でも…俺は…」 「今の雪代さんにとって一番必要なのは星夜です…」 こんなにも好きなのに…何もできないばかりか逆に苦しめてしまうなんて…なんでこんなにも俺は…涙が出そうだ…

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